英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第35回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • Sperm Motility Analysis System(SMAS)を用いた精子機能評価と体外受精における受精率の関係
  • 2017年7月20日(木)~21日(金)米子コンベンションセンター
  • 第35回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 古橋孝祐、江夏徳寿、横田梨恵、岸加奈子、松田彩花、辻優大、大月純子、

    伊藤宏一、水澤友利、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英

【背景】

不妊治療における精液検査において、一般的に精子濃度・運動率などが評価の対象とされるが、精子の運動の質についてはあまり評価されていないのが現状である。今回我々は、精子の運動の質的評価が出来るSperm Motility Analysis System(SMAS)を用い、体外受精の受精率との相関を検討することで新たな評価法の確立をめざした。

【方法】

当院にて2016年6月~10月に体外受精を行った症例のうち、SMASにて精液検査を行った898周期を検討対象とした。SMASから得られる複数のパラメーターから当院が独自に導き出した(Sperm Motility Value:以下SMV)などを利用し、IVFにおける受精率の予測式を算出した。続いて2016年11月~12月の間に体外受精を行った332周期のデータを用いてこの予測式が前向きに運用できるかどうかを確認した。

【結果】

原精液からSMASによって得られた各因子とIVFの受精率の相関を検討したところ、曲線速度、直線速度、総運動精子数、運動率、精子濃度、頭部振幅振動数、SMV、高速運動精子濃度において有意な相関が認められた。調整後の精液では、調整前に加えて頭部振幅、直進性においても受精率に有意な相関を認めた。ロジスティック回帰分析では、調整前のSMV、曲線速度、総運動精子数が独立した受精率予測因子となりうる事が分かった。調整後は直進性のみが予測因子であった。前向きに行った検討では、原精液のSMV、曲線速度、総運動精子数の閾値を超えたファクター数毎に受精率を比較したところ、閾値を超えた因子の数と受精率に相関を認めた。

【考察】

SMASによって得られる複数の精液パラメーターを組み合わせることで、体外受精における受精率の予測が可能あることが示唆された。今後はさらにデータを蓄積し、より正確な受精率の予測式を確立していきたい。

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