英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第130回 日本不妊学会関西支部集談会 第32回 関西アンドロロジーカンファレンス

  • エストロゲンおよびプロゲステロンにより内膜調整を行った 凍結融解胚移植周期におけるhCG投与の有用性の検討
  • 平成18年3月4日 日本シェーリング株式会社 本社新館2階講堂(大阪府)
  • 第130回 日本不妊学会関西支部集談会 第32回 関西アンドロロジーカンファレンス
  • 後藤 栄、橋本 洋美、苔口 昭次、松永 雅美、渡部 純江、棚田 省三、姫野 清子、塩谷 雅英 
    英(はなぶさ)ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】ART において黄体機能補助療法の一つとしてhCGが用いられている。hCGは採卵後の卵巣に作用し内因性プロゲステロンの分泌を亢進し、胚の着床環境を整える働きを有する。一方、エストロゲンおよびプロゲステロンにより内膜調整を行う凍結融解胚移植周期では、排卵は抑制されているためhCGは通常投与されない。しかしながら、hCGが単独で子宮内膜脱落膜化促進作用を有することや、子宮内膜にhCGレセプターが存在することなど、hCGが卵巣を介さず子宮内膜に直接的に作用する可能性も報告がされている。そこで、我々はエストロゲンおよびプロゲステロンにより内膜調整を行った凍結融解胚移植周期において hCG投与が有用かどうか前方視的に検討を行った。

【方法】2003 年4月~2004年3月に、エストラダームMおよびプロゲステロン膣座薬とルトラールにより内膜調整を行い凍結融解胚移植を施行した173周期を対象とし前方視的に検討した。エストラダームMは月経開始2日目より使用開始し15日目よりプロゲステロン膣座薬とルトラールを併用した。同意を得た86症例に対しHCG3000IUを月経開始後17、20、23日目に投与し(hCGあり群)、hCGの投与をしなかった87周期(hCGなし群)とART成績について比較した。

【結果】hCG あり群とhCGなし群において、それぞれ患者平均年齢は33.7歳と33.4歳、平均既往ART回数は2.4回と1.9回、平均移植胚数は2.0個と 2.1個であり、2群間に有意差はみとめなかった。妊娠率および胚あたりの着床率はそれぞれhCGあり群で44.2%、29.4%、hCGなし群で 46.0%、28.3%であり、2群間で有意差はみとめなかった。

【結語】エストロゲンおよびプロゲステロンにより内膜調整を行った凍結融解胚移植周期においてhCG投与を行うことによる妊娠率および着床率の上昇はみとめなかった。

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