診療・治療
【発表の概要】
【目的】
分割期胚における胚の選択には、形態学的評価に基づくVeeck分類が頻用されているが、妊娠率との関係についての報告は少ない。そこで今回我々は、採卵後2日目(Day2)胚の凍結融解後の単胚移植において、Veeck分類と更に細胞数を加味した評価が妊娠成績に及ぼす影響について検討を行った。
【方法】
2006年1月~2010年12月にDay2胚での凍結融解単胚移植を行なった1125周期を対象とした。Grade(G)はVeeck分類に従い、細胞数は≦3cell、4-6cell、7cell≦の3群に分け、妊娠率ならびに流産率について比較検討を行なった。
【結果】
各G間の平均年齢に有意差は認めなかった。G1~G4の妊娠率は、≦3cellで9.1%(1/11)、9.5%(2/21)、0%(0/25)、0%(0/7)、4-6cellで30.0%(54/180)、20.4%(91/447)、11.3%(35/310)、6.3%(7/44)、7cell≦で37.5%(6/16)、27.1%(13/48)、15.9%(7/44)、-(0/0)となった。いずれの群もGが良好な順に妊娠率が高くなる傾向を認めた。また、同一のG間では細胞数が多い順に妊娠率が高くなる傾向を認めた。流産率は、≦3cell で0%(0/1)、50%(1/2)、-(0/0)、-(0/0)、4-6cellで 27.8%(15/54)、25.3%(23/91)、37.1%(13/35)、0%(0/1)、7cell≦で16.7%(1/6)、15.4%(2/13)、14.3%(1/7)、-(0/0)となりGに関わらず細胞数が多い順に流産率は低くなる傾向を認めた。
【結論】
Day2胚の凍結融解単胚移植においてVeeck分類のGradeが良好で且つ細胞数が多い順に妊娠率は高率となった。これらの結果から、Day2胚におけるVeeck分類は妊娠成績の指標となり、更に細胞数を加味することでよりよい指標となる事が示唆された。