研究開発・学会発表

9月のおはな

第26回 日本受精着床学会総会・学術講演会

学会名

第26回 日本受精着床学会総会・学術講演会

日・場所

平成20年8月28日~29日 福岡国際会議場

タイトル

凍結時の平衡化時間と胞胚腔収縮法が融解胚盤胞移植へ及ぼす影響

発表者名

稲飯 健太郎、後藤 栄、小森 江利子、橋本 洋美、松永 雅美、苔口 昭次、塩谷 雅英
英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】ヒト胚盤胞における至適凍結条件の検討を目的とした。凍結時平衡化液(Equilibration Solution:ES)への浸漬時間の長短と胞胚腔収縮法(Artificial Shrinkage:AS)の有無別に、融解後の生存率、一部変性率(胚の一部が変性したもの)、融解胚あたりの妊娠率(胎嚢が確認できたもの)と胎児心拍陽性率を後方視的に比較した。

【方法】Gardner らの分類Grade 3以上の胚盤胞を凍結し、融解後単一胚盤胞移植を施行した659周期を対象とした。<検討1>ASを施行せず、ES浸漬時間を5分とした39 周期(5分群)と10~15分とした139周期(10分以上群)で成績を比較した。<検討2>ES浸漬時間を5分としてASを施行した481 周期(AS有り群)と施行しなかった39周期(AS無し群)で成績を比較した。

【結果】検討1 において、5 分群と 10 分以上群でそれぞれ胚生存率は100.0%(39/39)と95.0%(132/139)、一部変性率は12.8%(5/39)と9.4%(13 /139)、妊娠率は56.4%(22/39)と47.5%(66/139)、胎児心拍陽性率は51.3%(20/39)と41.0%(57/139)であり、各項目で有意差は認めなかったが、5分群で妊娠率と胎児心拍陽性率が高い傾向であった。検討 2 において、AS 有り群と AS 無し群でそれぞれ、胚生存率は
96.3 %( 463/481 )と 100.0 %( 39/39 )、一部変性率は8.9%( 43/481)と12.8%(5/39)、妊娠率は48.4%(233/481)
と 56.4 %(22/39)、胎児心拍陽性率は 42.6 %(205/481)と51.3%(20/39)であり、各項目で有意差は認めなかった。

【結語】ES浸漬時間5分で妊娠率と胎児心拍陽性率が高い傾向であった。またASを施行することの有用性は認めなかった。