研究開発・学会発表

4月のおはな

第51回 日本生殖医学会総会・学術講演会

学会名

第51回 日本生殖医学会総会・学術講演会

日・場所

平成18年11月9日~10日 大阪国際会議場・リーガロイヤルホテル

タイトル

胚が1個または2個しか得られない症例に対する複数採卵周期分の凍結胚を用いた融解二段階胚移植の有用性

発表者名

笠原 優子、後藤 栄、橋本 洋美、松永 雅美、渡部 純江、苔口 昭次、塩谷 雅英、野田 洋一 
英(はなぶさ)ウィメンズクリニック 
滋賀医科大学産科婦人科教室

【発表の概要】

【目的】胚が1個または2個しか得られない症例に対する胚移植法は初期胚移植が選択されることが多い。しかし初期胚移植を複数周期施行しても妊娠に至らない症例に、引き続き初期胚移植を繰り返しても妊娠成績は悪く、移植方法の工夫が求められる。そこで我々は、胚が2個までしか得られない反復ART不成功例に対して、複数周期にわたり採卵後2日目(day2)に初期胚を凍結保存し、3~4個の初期胚が凍結保存できた時点でそれらの胚を融解し、二段階胚移植を施行(貯胚二段階胚移植)し、その有用性について検討を行った。

【方法】2000 年12月~2005年9月に、1採卵周期に2個までしか初期胚が得られず、かつ、少なくとも4回のART不成功歴がある62症例を対象とした。貯胚二段階胚移植は26症例28周期に施行し(貯二段階群)、融解当日に初期胚を1~2個移植、残りの胚は継続培養し融解後3日目に桑実胚か胚盤胞を1~2個移植した。day2に1~2個の新鮮初期胚移植をした36症例61周期を対照とした(初期胚群)。

【成績】貯二段階群、初期胚群の平均年齢は、40.6歳、41.8歳、平均既往ART回数は10.6回、10.2回であり両群間で有意差はなかった。貯二段階群では 26症例中8症例(30.8%)が妊娠に至った。二段階目の移植がキャンセルとなった症例は42.3%(11/26)であり、このうち2症例は妊娠に至った。初期胚群では36症例中4例(11.1%)が妊娠した。症例当たりの妊娠率は貯二段階群において高い傾向であった。貯二段階群では初期胚を3~4個得るために平均3.0周期要した。初期胚が獲得できた周期当たりの妊娠率は、貯二段階群で9.5%(8/84)であり、初期胚群の6.6%(4/61)と比較し高い傾向であった。

【結論】胚が1~2個しか得られない初期胚移植反復不成功例に対して、貯胚二段階胚移植は有用な移植法である事が示唆された。