研究開発・学会発表

9月のおはな

第53回 日本生殖医学会総会・学術講演会 

学会名

第53回 日本生殖医学会総会・学術講演会 

日・場所

平成20年10月23日~24日 神戸国際会議場

タイトル

不妊・不育治療中の流産例における絨毛染色体検査の検討

発表者名

苔口 昭次、松永 雅美、村田 純江、後藤 栄、泉 陽子、橋本 洋美、塩谷 雅英
英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】流産の原因は、母体側、胎児側、母児相互関係などがあげられる。不妊および不育治療中妊娠初期流産症例で、胎児側の原因検索として染色体検査を実施し、それらの臨床的検討とその後の転帰について検討をおこなったので報告する。

【対象と方法】2005 年からの3年間で不妊・不育治療中妊娠に至るも流産になった55例(一般不妊治療33例、ART22例)である。患者の平均年齢は37.3歳(29歳から 43歳)、平均流産回数は2.9回(1から7回)であった。予定手術で採取した絨毛をG-band法(SRL)にて分析した。

【結果】染色体異常は43例(78.2%)存在し、常染色体異常でトリソミーが31例(72.1%)と最も多く、性染色体モノソミーX6例(14.0%)、構造異常 3例(6.9%)、モザイク2例(4.6%)、3倍体1例(2.3%)であった。年齢別染色体異常率は34歳以下72.3%(13/18)、35歳から 39歳で73.3%(11/15)、40歳以上で86.4%(19/22)、また、加齢とともにトリソミーの染色体異常は高くなる傾向があった。一般不妊治療とART治療での染色体異常に差はなかった。流産回数別での染色体異常率は流産歴2回で91.7%(11/12)、3回で73.7%(14/19)、 4回で80%(8/10)に認めた。抗リン脂質抗体(抗PE抗体や抗PS抗体など含)陽性例で治療中流産になり、染色体異常を認めた例は、流産回数が3回以上では66.7%(8/12)に認めている。染色体異常による流産後、21.9%(7/32)が妊娠し、28.6%(2/7)が流産となった。

【まとめ】抗りん脂質抗体陽性の不育治療中の流産例に染色体検査を行い、染色体異常が多く見つかったので、今後の治療方針の指針とするためには積極的に染色体検査をおこなう事が必要である。