研究開発・学会発表

4月のおはな

産婦人科の世界「生殖補助医療マニュアル」別刷

学会名

産婦人科の世界「生殖補助医療マニュアル」別刷

日・場所

vol.56増刊号(2004)

タイトル

二段階胚移植

発表者名

後藤 栄(英(はなぶさ)ウィメンズクリニック 不妊センター副所長・ 滋賀医科大学 非常勤講師)
塩谷 雅英(英ウィメンズクリニック 院長)
藤原 睦子(滋賀医科大学産科婦人科教室 助手)
北川 勝(英ウィメンズクリニック 副院長)
竹林 浩一(滋賀医科大学産科婦人科教室 講師)
野田 洋一(滋賀医科大学産科婦人科教室 教授)

【発表の概要】

これまでわれわれは、day2に4個以上の胚が得られる周期において(従来の2段階胚移植の適応基準)、初期胚移植より二段階胚移植を施行する方が高い妊娠率が得られることを報告してきた。この理由の一つとして、継続培養を行うことにより移植胚の選別ができ、着床率が高い胚盤胞を移植することができることが考えられてきた。一方、今回の検討のように、胚が3個以下の場合では、2段階胚移植では移植しうる全ての胚をday2とday5に分けて移植するため、継続培養により移植胚を選別できるという利点はない。したがって、胚が3個以下の周期に対しても二段階胚移植の方が高い妊娠率を得ることができた理由として、胚と子宮内膜との同期性や相互作用といった胚の選別以外の因子の関与も推察されよう。

2段階胚移植をday2に4個以上の胚が得られる周期に行う場合、妊娠率は高くなるものの、多胎率が増加するという問題がある。二段階胚移植の総移植胚数を、症例の年齢、既往ART回数、胚のグレードなどにより、2個に制限するなどの工夫が求められる。

これまで、2段階胚移植の適応基準は「day2に胚が4個以上ある周期」としていたため、比較的妊娠しやすい症例が対象となっていた。しかし今回の検討では、day2で胚が2個または3個しか得られない周期においても、二段階胚移植の有用性が示唆された。2段階胚移植の適応が広がることが期待できる。今後、症例を増やしてさらに検討予定である。