研究開発・学会発表

10月のおはな

産科と婦人科 別刷

学会名

産科と婦人科 別刷

日・場所

Vol.70No.10 (2003年10月1日発行)

タイトル

特集 着床不全の改善を目指して「2段階胚移植法」

発表者名

後藤 栄※1、塩谷 雅英※1、藤原 睦子※2、 北川 勝※1、竹林 浩一※2、野田 洋一※2 
※1英(はなぶさ)ウィメンズクリニック 
※2滋賀医科大学産婦人科教室

【発表の概要】

これまでわれわれは、day2に4個以上の胚が得られる周期において(従来の2段階胚移植の適応基準)、初期胚移植より2段階胚移植を施行する方が高い妊娠率が得られることを報告してきた。この理由の-つとして、継続培養を行うことにより移植胚の選別ができ、着床率が高い胚盤胞を移植することができることが考えられてきた。一方、今回のように、胚が3個以下の場合では、初期胚移植では移植しうるすべての胚をday2に移植し、2段階胚移植では移植しうるすべての胚をday2とday5に分けて移植するため、移植胚を選別できるという利点はない。したがって、胚が3個以下の周期に対しても2段階胚移植の方が高い妊娠率を得るこができた理由として、胚と子宮内膜との相互作用の関与などといった胚の選別以外の因子も推察されよう。

2段階胚移植をday2に4個以上の胚が得られる周期に行う場合、妊娠率は高くなるものの、多胎率が増加するという問題がある。2段階胚移植の総移植胚数を、症例の年齢、既往ART回数、胚のグレードなどにより、2個に制限するなどの工夫が求められる。これまで、2段階胚移植の適応基準は「day2に胚が 4個以上ある周期」としていたため、比較的妊娠しやすい症例が対象となっていた。しかし、今回の検討では、day2で胚が2個または3個しか得られない周期においても、得られたすべての胚がday2に形態良好の場合では、初期胚移植を行うより2段階胚移植を施行する方が高い妊娠率が得られることが示唆された。今後、2段階胚移植の適応基準が拡がることが期待できる。さらに症例を増やし、検討予定である。