研究開発・学会発表

10月のおはな

第28回 日本受精着床学会総会・学術講演会

学会名

第28回 日本受精着床学会総会・学術講演会

日・場所

平成22年7月28日~29日 パシフィコ横浜

タイトル

IVF後に1前核が見られた胚の胚盤胞における染色体解析

発表者名

水田真平・後藤 栄・橋本洋美・黒田泰史・松本由紀子・水澤友利・緒方誠司・
山田 聡・苔口昭次・塩谷雅英

英ウィメンズクリニック

【発表概要】

【目的】IVF施行翌日の受精判定(採卵後約20時間後)に前核を1個しか認めない胚(1PN胚)がある。1PN胚の発生機序について一致した見解は未だ得られていないが、IVF 1PN胚は48.7-61.9%が2倍体であると報告されているが、移植の対象としない場合が多い。しかし、既報告の多くが初期胚による染色体解析であるため、胚盤胞に発生した1PN胚の染色体の倍数性を解析した。
【材料・方法】2009年9月23日から2010年3月25日の間に採卵し、IVF施行卵のうち、1PN胚の割合は、4.4%(155/3526)であった。分割が得られた胚は83.2%(129/155)で、うち97個を継続培養し、34.0%(33/97)が胚盤胞に発生した。そのうち患者の同意が得られた胚11個と、すでに廃棄予定となっていたIVF 1PN胚由来の胚盤胞8個の計19個を研究対象とした。妻の採卵時平均年齢は34.6±4.9歳であった。胚盤胞の透明帯を0.8%プロテアーゼにて溶解し、細胞を全て固定した。解析はFISH法にて行い、probeにはVysis社のCEP 18/X/Yを用いた。
【結果】IVF 1PN胚は84.2%(16/19)が2倍体であった。10.5%(2/19)が半数体と2倍体のモザイクで、5.3%(1/19)が無秩序なモザイクであった。
【考察】胚盤胞に発生したIVF 1PN胚は2倍体の割合が高いため、移植対象となり得るかもしれないことが示唆された。胚盤胞発生率は34.0%と低く、胚盤胞までの発生過程において、ある程度染色体異常胚が淘汰されていると考えられた。