研究開発・学会発表

4月のおはな

第55回 日本生殖医学会総会・学術講演会

学会名

第55回 日本生殖医学会総会・学術講演会

日・場所

平成22年11月11日~12日あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)ホテルクレメント徳島

タイトル

ICSI後3前核が見られた胚の胚盤胞における染色体解析

発表者名

水田真平、後藤 栄、橋本洋美、黒田泰史、松本由紀子、水澤友利、緒方誠司

山田 聡、苔口昭次、塩谷雅英

英ウィメンズクリニック

【発表の概要】
【目的】ICSI施行翌日の受精判定時に前核を3個認める胚(ICSI 3PN胚)がある。ICSI 3PN胚の原因は第2極体放出不全が多いとされており、染色体の倍数性異常をきたすと考えられている。我々は、ICSI 3PN胚の分割期における染色体倍数性について解析し、ICSI 3PN胚にわずかながら2倍体である胚が存在していることを報告した。今回は、胚盤胞に発生したICSI 3PN胚について染色体数的異常の有無を解析し、分割期胚と比較検討した。
【材料および方法】2009年7月9日から2010年5月23日の間に採卵をし、ICSI施行後3PNが見られた胚のうち患者の同意が得られ廃棄予定となった胚は76個であった。それらを採卵後5日目(Day5)または6日目(Day6)まで培養し、胚盤胞に発生したのは16個(21.1%)であった。そのうち13個と、すでに廃棄予定となっていたICSI 3PN胚盤胞3個の計16個を研究対象とした。解析はFISH法にて行い、 probeにはVysis社のCEP 18/X/Yを用いた。
【結果】Day5に胚盤胞に発生した胚は13個で、Gardner分類におけるGrade(G)1が3個、G2が3個、G3が6個、G4が1個であった。Day6に胚盤胞に発生した胚は3個でG2が1個、G3が1個、G4が1個であった。染色体解析の結果、2nが6.3%(1/16)、3nが43.8%(7/16)、3nを含むモザイクが43.8%(6/16)、無秩序なモザイクが12.5%(2/16)であった。2nであった1個の胚のDay1における極体数はフラグメントが見られたため不明であり、Day6にて胚盤胞のG2であった。
【考察】ICSI 3PN胚の胚盤胞における2nの割合は6.3%(1/16)であり、93.7%(15/16)は染色体数的異常胚であった。これは過去に我々が報告したICSI 3PN胚の分割期における2n胚の割合、8.1%(3/37)とほぼ同率であった。また、2nであった胚は1個のみであったため、極体数および発生段階と胚の倍数性との関連性は分からなかった。今回の結果より、ICSI 3PN胚は胚盤胞に発生しても染色体数的異常の割合が非常に高率であることが示された。