研究開発・学会発表

4月のおはな

第56回 日本生殖医学会学術講演会・総会

学会名

第56回 日本生殖医学会学術講演会・総会

日・場所

平成23年12月8日~9日 パシフィコ横浜

タイトル

ART移植前子宮内腔液貯留のある症例について

発表者名

苔口昭次、片岡信彦、緒方誠司、山田聡、松本由紀子、水澤友利、岡本恵理、
橋本洋美、古橋孝祐、水田 真平、塩谷雅英

英ウィメンズクリニック

【目的】
ART治療で移植前に子宮内液貯留を経膣超音波検査にて見つけることはよくあり、その原因は卵管水腫症例が典型的である。しかし、卵管水腫にて卵管切除をした症例でも子宮内腔液貯留を認めることも経験する。当院での移植前に子宮内貯留を認めた例の原因検索、それら特徴と移植方法、妊娠成績について調べた。

【方法と症例】
症例は2005年から2010年までの症例で、ARTにて胚を獲得した後、移植前に子宮内腔液貯留を確認した症例で1回以上の移植をおこなった16例。移植は胚盤胞移植を原則とした。年齢は26歳から43歳(平均年齢35.3歳)不妊歴は2年から8年(平均3.6年)。移植に際しては、液の吸引や自然消退を確認した症例である。子宮内腔液貯留が黄体補充後(移植直前)にも消退しないときは中止とした。

【結果】
経産婦は16例中4例であった。既往歴では、手術歴(子宮手術(帝王切開2例、子宮筋腫核出術3例、子宮中隔切除1例)、卵管手術(外妊、形成術含)3例、卵巣手術(内膜症3例、のう腫核出1例)であった。クラミジア感染は全て陰性であった。不妊原因は卵管因子62.5%(10/16)で、子宮内腔内貯留の原因は、卵管水腫(手術後も含める)12例、子宮術後(癒着、帝切後含む)4例。両側卵管切除後でも水腫がみとめられたものは4例あった。これら例での妊娠率は1/4(25%)であった。経膣超音波での貯留液の画像最大前後経(A-P)は2から9mmであった。16例中妊娠出産例は5例(31%)、流産(化学流産含む)3例(18.7%)であった。移植に際してCD17頃に吸引した例は4例で、妊娠は2例(化学流産1例)、その他は液の消退を待って移植した。良好胚盤胞移植は7例であるが妊娠出産例は1例であった。A-P値が最大9mmあっても消退し妊娠例があった。妊娠例のA-Pは3-9mmでA-Pとは関連がなかった。「結論」A-P値が5mm以上あると妊娠はごく稀といわれているが、当院では妊娠例があった。胚盤胞移植で移植前に子宮内腔液が超音波上なくなれば、31%妊娠出産を期待できる。