英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第30回日本受精着床学会総会・学術講演会

  • 禁欲期間が培養成績に及ぼす影響について
  • 平成24年8月30日(木)、31日(金) 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
  • 第30回日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 岸加奈子、片岡信彦、緒方洋美、古橋孝祐、十倉陽子、山田聡、緒方誠司、

    水澤友利、
    松本由紀子、岡本恵理、苔口昭次、塩谷雅英

    英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

 

【目的】

禁欲期間は、WHOでは2日~7日間を推奨しており禁欲期間が長くなると、精子運動率の低下や奇形率の増加、また細菌により白血球が増加すると考えられている。人工授精ではMarshburnらが、禁欲期間が2日以下において総精子数は少なくなるが、妊娠率は高くなったと報告している。今回我々は、禁欲期間が培養成績に及ぼす影響を検討した。

【方法】

2011年9月~2011年12月にIVFを施行した158周期を対象とした。禁欲期間を6つの群1日(A群)、2日(B群)、3日(C群)、4日(D群)、5日(E群)、6日以上(F群)にわけ、受精率、良好分割率、胚盤胞発生率及び良好胚盤胞率の検討を行った。

【結果】

禁欲期間別の受精率、良好分割率、胚盤胞発生率及び良好胚盤胞率はA群82.5%(33/40)、66.7%(18/27)、75.0%(15/20)、26.7%(4/15)。B群77.5%(179/231)、63.3 %(100/158)、50.4%(61/121)、32.8%(20/61)。C群78.0%(262/336)、57.7%(12/220)、49.7%(86/173)、18.6%(16/86)。D群80.1%(109/136)、58.5%(55/94)、58.7%(44/75)、18.2%(8/44)。E群76.3%(87/114)、38.0%(30/79)、48.5%(32/66)、12.5%(4/32)。F群81.5%(405/497)、52.8%(180/341)、44.3%(121/273)、15.7%(19/121)であった。受精率は各群間で差は認めなかった。良好分割率は、E群が他群と比較し有意に低かった。胚盤胞発生率は、A群が他群と比較し有意に高く、良好胚盤胞率は、B群がC群とF群と比較し有意に高かった。

【結語】

受精率は各群間で差を認めなかったが、胚盤胞発生率、良好胚盤胞発生率は禁欲期間が短い方が高かった。この結果は、ARTにおいて禁欲期間を短く設定することで治療成績を向上できる可能性を示唆するものと考えられる。

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