研究開発・学会発表

2月のおはな

第30回日本受精着床学会総会・学術講演会

学会名

第30回日本受精着床学会総会・学術講演会

日・場所

平成24年8月30日(木)、31日(金) 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)

タイトル

ホルモン調節(HRT)周期での凍結融解胚盤胞移植におけるプロゲステロン補充の妊娠率・流産率への影響

発表者名

松浦まき、片岡信彦、緒方洋美、古橋孝祐、十倉陽子、山田聡、緒方誠司、水澤友利、
松本由紀子、岡本恵理、苔口昭次、塩谷雅英

英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

 

【目的】

以前、我々は、ホルモン調節周期(以下HRT)の凍結融解胚移植で月経(以下CD)23日目の血中プロゲステロン(P)値が9ng/ml未満では9ng/ml以上と比較し妊娠率が低くなると報告した(妊娠率37.2%と57.6%)(本学会誌2007)。その報告以降CD23のP値が9ng/ml未満の周期においては、プロゲステロン(P)製剤を追加補充している。そこで、CD23のP値が低い症例に対してP製剤の追加を行うことにより妊娠率が改善したかどうか後方視的に検討した。

 

【方法】

2008年1月~2009年12月にGrade3BB以上の胚盤胞1個を移植した335周期を対象とした。HRTはCD2よりエストロゲン製剤を漸増しCD15よりP膣座薬(600mg/日)とCD16からジドロゲステロン錠(15mg/日)の併用を基本とした。CD23のP値9ng/ml未満の周期にCD23からP製剤を追加した。CD23のP値が9ng/ml以上だった群(A群)とCD23のP値が7~9ng/mlでCD23からP製剤を補充した群(B群)のCD30のP値と臨床妊娠率及び流産率を比較した。

 

【結果】

A、B群のそれぞれ平均年齢は、34.6±3.8歳、34.8±4.2歳で有意差認めず。CD23の平均P値はA群14.0±4.1ng/ml、B群7.0±1.2ng/mlでA群の方が有意に高かった。CD30の平均P値はA群13.0±5.2ng/ml、B群19.1±9.4ng/mlでB群の方が有意に高くなった。臨床妊娠率はA群64.7%(176/272)、B群57.1%(36/63)、流産率はA群18.8%(33/176)、B群22.2%(8/36)で有意な差は認めなかった。

 

【結論】

CD23のP値が9ng/ml未満の症例に対してP製剤の追加により妊娠率は57.1%となり、2007年の報告(37.2%)にくらべ改善しており、9ng/ml以上の周期と比較し、臨床妊娠率及び流産率に差がないことにより、低P値を示す患者に対してP製剤の追加補充が有効であることが示唆された。