研究開発・学会発表

10月のおはな

第59回 日本生殖医学会学術講演会

学会名

第59回 日本生殖医学会学術講演会

日・場所

平成26年12月4日~5日 京王プラザホテル

タイトル

当院におけるがん患者に対する 生殖医療の現況

発表者名

岡本恵理、塩谷雅英

英ウィメンズクリニック

【目的】
近年、がん患者が妊孕性温存を希望する機会や、がんを克服したがんサバイバーが挙児を希望する機会が増加してきている。当院におけるがん患者に対する生殖医療の現況について検討し報告する。

【方法】
2011年1月から2014年5月までに当院初診となった患者9324名のうち、がん合併・既往の患者を抽出し、他院からの紹介の有無、治療の状況、結婚の有無、がんの部位について検討した。また、部位別に年齢や既婚率、治療状況、AMHについて検討した。初診後の動向についても検討を行った。

【成績】
がん合併・既往患者は109名、紹介率は45.9%であった。がん治療前が49名、治療中が8名、完治後が52名であり、紹介率はそれぞれ86%、75%、8%であった。既婚が78名、未婚が25名、パートナー有が6名であった。部位では乳腺が34名(32%)、血液が19名(17%)、子宮が15名(14%)、甲状腺が13名(12%)、卵巣が13名(12%)、消化器が5名(5%)、その他が9名(8%)であった。部位別の平均年齢は乳腺が最も高く40.4歳、次いで甲状腺35.7歳子宮・卵巣33.9歳血液30.4歳消化器30.2歳であった。既婚率は甲状腺が最も高く100%、次いで卵巣85%乳腺80%子宮67%消化器60%血液47%であった。治療状況は、甲状腺が全員完治後で、卵巣、乳腺も完治後が多かったが、血液は6割以上が治療前もしくは治療中であった。AMHは81名に測定しており、AMHの平均値は子宮が最も高く、消化器、甲状腺、卵巣、乳腺と下がっていき、血液では治療前も後も全例AMHが0.1未満であった。初診後の動向では、採卵して卵子を回収するART治療をすぐに行った方が73名(67%)、タイミングやIUIを希望した方が12名(11%)、相談のみが20名(18%)であった。ART治療により妊娠・出産した方が5名、タイミングやIUIで妊娠した方が4名であった。

【結論】
今後もがん合併・既往の患者は増えると思われ、症例の報告を継続して行っていく必要があると考えられた。