研究開発・学会発表

11月のおはな

第18回 日本IVF学会

学会名

第18回 日本IVF学会

日・場所

平成27年9月26日(土)~27日(日) アクロス福岡

タイトル

2種類のTime-lapse観察システムにおける培養成績の比較検討

発表者名

堤由香理、緒方洋美、岩崎利郎、片田雄也、佐東春香、波多野佳苗、松本由紀子、
苔口昭次、塩谷雅英

【目的】

当院は、Vitrolife社のEmbryoScope®(以下ES)とPrimoVision(以下PV)の2種類のTime-lapse観察システム(以下Time-lapse)を用いて培養を実施している。ESは、培養庫とTime-lapseが一体化し、加湿を行わないドライ型である。また、専用のDishを用いることで同時に6症例72個の胚の培養が可能である。PVは、培養庫とTime-lapseが独立しておりBOXタイプの培養庫に設置して使用する。1台につき1症例最大16個の胚の培養が可能である。このように2種類のTime-lapseはそれぞれ特徴を有しているが、これらの培養成績を比較検討した報告は無い。そこで、今回我々は、2種類のTime-lapse 間(ESおよびPV)の培養成績を比較検討したので報告する。

【方法】

2013年9月~2015年6月において、年齢40歳未満かつ採卵初回例でICSIおよびIVF施行卵数が4個以上の症例とした。ICSI例は、ES群31例231個の胚、PV群11例89個の胚を、IVF例は、ES群42例332個の胚、PV群28例、294個の胚を対象とした。ESおよびPVともに、ICSIはICSI後に、IVFは媒精4時間後に、第2極体放出の有無を確認する為に卵丘細胞を除去することから、その後にTime-lapseで培養を開始した。使用した培養液は、Day1までは両群とも同じ受精用mediumを用い、Day1以降LifeGlobal社のGlobalMedium+10%HSAで培養した。検討項目は、良好分割率、胚盤胞発生率および良好胚盤胞発生率とした。

【成績】

ICSIおよびIVFにおいてESとPVの平均年齢に差は認めなかった。ICSIで、ES群とPV群における良好分割率は49.1%(81/165)、35.8%(24/67)であり、胚盤胞発生率は41.4%(53/128)、27.3%(15/55)で、良好胚盤胞発生率は28.3%(15/53)、33.3%(5/15)であった。全ての項目において有意な差は認めなかった。
IVFでは、ES群とPV群で良好分割率は61.6%(143/232)、47.4%(81/171)であり、胚盤胞発生率は67.6%(121/179)、58.6(78/133)で、良好胚盤胞発生率は43.8%(53/121)、44.9%(35/78)であった。良好分割率においてES群の方が有意に高くなった(P<0.01)。

【考察】

本検討からは、IVF例で良好分割率がESにおいてPVと比較し有意に高率となったが、ICSI例を含め、胚盤胞発生率や良好胚盤胞発生率には、有意な差を認めなかったことから、ESとPVにおいて現時点では培養成績には大きな差がないことが確かめられた。今後更に症例を増やし培養成績の検討を続けていきたい。