研究開発・学会発表

12月のおはな

第19回 日本IVF学会

学会名

第19回 日本IVF学会

日・場所

2016年10月1日(土)~ 2日(日) 神戸国際会議場

タイトル

採卵後5日目の初期胚盤胞を黄体期4日目に単一融解胚移植した妊娠率について

発表者名

魚住卓矢、古橋孝祐、辻優大、大月純子、岩﨑利郎、伊藤宏一、水澤友利、松本由紀子、
苔口昭次、塩谷雅英

【目的】

採卵後6日目(Day6)に得られた胚盤胞を凍結保存し、次周期以降の黄体期5日目(Luteal 5)に融解胚移植を行うことで、着床率が向上することが報告されている(Mukaida et al., 2003)。この報告は、妊娠成立において子宮内膜と胚の状態を同期させることの重要性を示す知見である。そこで本研究では、初期胚盤胞(G1,G2)を発生が遅延している胚と捉え、従来通りLuteal 5に融解移植するよりもLuteal 4に融解胚移植を実施した方が、妊娠率が向上する可能性があると考え、前方視的検討を行った。

【方法】

2015年3月から2016年3月までにホルモン補充周期で単一融解胚移植を実施した症例のうち、凍結時(Day5)にG1,G2であった周期を対象とした。患者IDの末尾が奇数であった333症例 (G1:114症例、G2:219症例) には従来通りLuteal 5に融解胚移植を実施し、末尾が偶数であった153症例 (G1:61症例、G2:92症例) には研究への同意を得たうえで、Luteal 4に融解胚移植を実施した。なお、全ての症例に対し、胚の融解直後にレーザー光照射による補助孵化療法を施行した。検討項目として、各移植群から得られた臨床妊娠(GS)率、ならびに胎児心拍(FHB)率について比較検討を行った。

【結果】

移植時の年齢はG1のLuteal 5とLuteal 4、G2のLuteal 5とLuteal 4で36.9±4.8歳および37.8±4.9歳、ならびに37.1±4.4歳および36.6±3.9歳であり、有意な差は認められなかった(p=0.48)。

G1の胚盤胞をLuteal 5とLuteal 4に移植したGS率(21.9% vs 24.6%; p=0.69)、およびFHB率(16.7% vs 19.7%; p=0.62)は、Luteal 4に移植した群が高い傾向にあったが、各群間に有意な差は認められなかった。G2の胚盤胞をLuteal 5とLuteal 4に移植したGS率(32.9% vs 41.3%; p=0.16)、およびFHB率(28.3% vs 35.9%; p=0.18)は、同様にLuteal 4に移植した群が高い傾向にあったが、各群間に有意な差は認められなかった。

 

【考察】

採卵後5日目に凍結したG1およびG2の初期胚盤胞は、Luteal 5で融解移植するよりも、Luteal 4に融解移植することで治療成績が向上する可能性が示唆された。今後、より詳細な検討ならびに解析を行うことで、初期胚盤胞の最適な移植時期の特定を目指す。