研究開発・学会発表

2月のおはな

第42回日本遺伝カウンセリング学会

学会名

第42回日本遺伝カウンセリング学会

日・場所

2018年6月28日(木)~7月1日(日)江陽グランドホテル 仙台

タイトル

出生前診断における意思決定支援ツールを用いた意識調査

発表者名

中原 恵理,澤井 英明,鹿嶋 見奈,岡田 千穂,巽 純子,西郷 和真,南 武志,川下 理日人,岡村 弥妃,金城 ちなつ,苔口 昭次,松本 由紀子,田村 和朗

【背景と目的】

出生前診断によって胎児の先天異常が判明した場合、当事者夫婦は感情や情報の整理が不十分なままに妊娠継続に関する重大な判断を行うことが懸念される。そこで本研究では、胎児がダウン症候群(DS)、ターナー症候群(TS)、クラインフェルター症候群(KS)であった場合の意思決定支援ツールを開発した。これらを用い、意思決定に関する意識調査の結果からその効果を明らかにする。

【対象と方法】

同意を得た351名を対象に無記名自記式のアンケート調査を行った。アンケート調査は意思決定支援ツール読了前後の2段階で行い、各症候群に対する事前の認知度や理解度の変化、各症候群の児を妊娠していた場合の選択に関する内容で構成した。

【結果】

①認知度: DSを「知っている」と回答した割合は半数を超えた。一方、TSとKSを「知っている」と回答した割合は、DSの半分以下であった。②理解度の変化:意思決定支援ツール読了後において、各症候群に対する基本的な理解が促進する効果が認められた。一方、遺伝学などの専門的な基礎知識を要する内容に対する理解は不十分であった。③意思決定:意思決定支援ツール読了後において、意思決定支援ツール読了前よりも妊娠継続を希望する割合が増加した。④満足度:説明の難易度が高いや社会資源に関する情報の不足などにより、満足度は50%前後に留まった。

【考察】

意思決定支援ツールから情報を得ることで各症候群に対する基礎的な理解が促進され、最終的には妊娠継続に関する意思決定に影響を与えることが示唆された。その一方で、今回用いた意思決定支援ツールの課題が明らかとなった。今回明らかとなった課題を踏まえ、今後も周産期医療の現場で有用なツールとして使用されるよう改良していく予定である。