研究開発・学会発表

11月のおはな

第64回日本生殖医学会学術講演会・総会

学会名

第64回日本生殖医学会学術講演会・総会

日・場所

2019年11月7日(木)~8日(金)神戸国際会議場・神戸国際展示場

タイトル

発光ダイオード(LED)光源がICSI成績に及ぼす影響について

発表者名

山上一樹、古橋孝祐、岩﨑利郎、伊藤宏一、水澤友利、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英

【目的】

卵子に対する光暴露はアポトーシス頻度を増加させるため、体外での胚操作時には光暴露の影響を最小限に留めることが望ましい。近年、発行ダイオード(LED)の普及により、顕微鏡の光源にもLEDを選択することが可能になったが、LED光源の使用が顕微授精(ICSI)の成績へ与える影響についての報告はほとんどない。そこで本検討では、LED灯あるいはハロゲン灯を接続した同型の倒立顕微鏡を用いて、光源の違いがICSI成績に与える影響について前方視的に比較検討を行った。

【方法】

2018年5月~12月に顕微授精を実施した547 周期(1637個)を対象とし、患者毎に無作為にハロゲン灯の倒立顕微鏡(ハロゲン群)、又はLED灯の倒立顕微鏡(LED群)に振り分けてICSIを施行した。どちらの群も倒立顕微鏡と、インジェクションシステムは同じものを使用し、光源以外は同一の機材を用い、受精率、変性率、分割率、良好分割率(4cellG2≤)、継続培養胚当たりのD5,D6胚盤胞発生率、D5良好胚盤胞率(G3BB≤)を比較検討した。

【結果】

ハロゲン群は242周期(778個)で平均年齢は39.2±4.6歳、 LED群は305周期(859個) で平均年齢は40.0±4.6歳であった。培養成績は受精率(83.0% vs 87.0% p=0.026)ならびに分割率(91.5% vs 95.2% p=0.005)はLED群でハロゲン群より有意に高く、良好分割率、D5,D6胚盤胞発生率、D5良好胚盤胞率には両群で差がなかった。

【考察】

今回の検討によって、顕微授精におけるLEDの使用は顕微授精成績の更なる向上の一助となる可能性が示唆された。一般的にLEDは発熱が抑えられるとされており、今回の成績の改善と熱の影響について更なる検討が必要であると考えている。