英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第33回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • ホルモン補充周期での凍結融解胚移植におけるhCG子宮内注入の有効性についての検討
  • 平成27年11月26日(木)~27日(金) TFTホール(東京都)
  • 第33回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 松本由紀子、中原恵理、緒方洋美、苔口昭次、塩谷雅英


    英ウィメンズクリニック

【目的】
hCGは着床を上昇させる重要なファクターを亢進させる役割がある。以前我々はホルモン補充での凍結胚移植例でhCG製剤の全身投与やhCG500単位子宮内投与の妊娠率への影響を検討したが有効性は認められなかった。そこで今回は子宮内注入するhCG量を1000単位へ増量し妊娠への影響について検討した。

【対象および方法】
2014年9月から2015年3月にホルモン補充周期の月経周期20日目にGardner分類G3以上の凍結融解胚盤胞を1個移植し30日目に血中hCG値にて妊娠判定し得た66周期を対象とした。移植3日前にhCG1000IUを添加した培養液100μlを移植カテーテルを用いて子宮内へ注入するhCG+群(n=36)と、hCGを添加していない培養液100μlを子宮内注入するhCG-群(n=30)の2群に無作為に分け、化学妊娠率と臨床妊娠率および妊娠継続率を検討した。hCG+群のうち、一部症例(7例)については、hCG投与による妊娠判定への影響の有無を検討するため移植当日に血中hCG値を測定した。

【結果】
hCG+群とhCG-群において、平均年齢(36.3歳 vs 36.2歳)、平均ART回数(1.3回 vs 1.5回)、平均既往移植回数(2.8回 vs 2.6回)は有意な差は認めなかった。着床率は、臨床妊娠率、妊娠継続率はhCG+群とhCG-群で各々72.2% vs 70.0% (p=0.84)、50.0% vs 53.3% (p=0.79)、44.4 % vs 46.7% (p=0.86)であり、両群で有意な差は認められなかった。
hCG+群において移植当日にhCG値を測定した症例では、全例でhCG(0.7-14.8mIU)が検出されたが、最終結果は妊娠陰性1例(移植当日hCG0.7mIU)、
生化学妊娠2例(移植当日hCG7.1mIU,14.8mIU)、臨床妊娠4例であった。

【結論】
子宮内注入hCG量を増量しても妊娠への影響は認められなかった。今後さらにhCGの着床に関わる影響や有効な投与方法について検討したい。

 

 

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