英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第53回 日本哺乳動物卵子学会

  • ホルモン調節(HRT)周期での凍結融解胚盤胞移植における

    プロゲステロン補充の妊娠率・流産率への影響
  • 平成24年5月26日(土)、27日(日) 千里ライフサイエンスセンター
  • 第53回 日本哺乳動物卵子学会
  • 松浦まき・片岡信彦・橋本洋美・古橋孝祐・十倉陽子・山田聡・緒方誠司・水澤友利・


    松本由紀子・岡本恵理・苔口昭次・塩谷雅英


    英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

 

目的以前、我々は、ホルモン調節周期(以下HRT)の凍結融解胚移植で月経(以下CD)23日目の血中プロゲステロン(P)9ng/ml未満では9ng/ml以上と比較し妊娠率が低くなると報告した(妊娠率37.2%57.6%)(日本受精着床学会雑誌2007)。その報告以降CD23P値が9ng/ml未満の周期においては、プロゲステロン(P)製剤を追加している。そこで、CD23P値低い症例に対してP補充を行うことにより妊娠率が改善したかどうか後方視的に検討した。

方法

20081月~200912月にGrade3BB以上の胚盤胞1個移植した335周期を対象とした。HRTCD2よりエストロゲン製剤を漸増しCD15よりP膣座薬(600mg/)CD16からジドロゲステロン錠(15mg/)の併用を基本とした。CD23P9ng/ml未満の周期にCD23からP製剤を追加した。CD23P9ng/ml以上だった群(A)CD23P79ng/ml CD23からP製剤を追加した群(B)CD30P値と臨床妊娠率を比較した。

結果

A,B群のそれぞれ平均年齢は、34.6±3.8歳、34.8±4.2歳で有意差認めず。CD23の平均P値はA14.0±4.1ng/mlB7.0±1.2ng/mlA群の方が有意に高かった。CD30の平均P値はA13.0±5.2ng/mlB19.1±9.4ng/mlB群の方が有意に高くなった。臨床妊娠率は、A64.7%(176/272)B57.1%(36/63)、流産率は、A18.8%(33/176)B22.2%(8/36)で有意な差は認めなかった()

結論

CD23P値が9ng/ml未満の症例に対してP製剤の追加により妊娠率は57.1%となり、2007年の報告(37.2%)にくらべ改善しており、9ng/ml以上の周期と比較し、臨床妊娠率及び流産率に差がないことが示唆された。

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