英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第54回 日本生殖医学会総会・学術講演会

  • セルトリ細胞におけるビスフェノールAのシグナル伝達機構への影響
  • 平成21年11月22日~23日 石川県立音楽堂 ANA クラウンホテルプラザ金沢
  • 第54回 日本生殖医学会総会・学術講演会
  • 泉 陽子1,2、山口耕平1、千葉公嗣1、安藤 慎1、橋本洋美1,2、塩谷雅英2 、


    藤澤正人1




    神戸大学大学院医学系研究科腎泌尿器科学分野1、英ウィメンズクリニック2




【発表の概要】
【緒言】ビスフェノールA(BPA; 2,2-bis-(4 hydroxyphenyl) propane)はプラスチックの原材料として使用され、生殖機能への悪影響が指摘されている内分泌撹乱物質の1つであり、エストロゲン様作用のみならず、直接的に細胞のアポトーシスを誘起する可能性も指摘されている。今回我々は、BPAによって引き起こされる生殖機能への悪影響の分子メカニズムの一端を解明するため、BPA投与によって生じるセルトリ細胞内のシグナル伝達機構の変化について評価、検討した。
【方法】18日齢SDラット精巣より抽出、培養したセルトリ細胞にBPA(200μM)を加え、各time courseに沿ってタンパク質及びmRNAを抽出後、Western bolt法にてmitogen activated protein kinase(MAPK)(p44/42-,p38-, cJun-N-terminal kinase(JNK))、cyclooxygenase-1,2 (COX-1,2)、inducible and endothelial nitric oxide synthase(i-,eNOS)、estrogen receptor-,β(ER-,β)、androgen receptor(AR)、nuclear factor kappa B(NF-κB)の活性化を評価し、培養液中のtransferrin(TF)、 prostaglandin(PG)E2、-F2、 nitric oxide(NO)の経時的変化をELISA法、Griess法にて測定した。またreal time RT-PCR法にて炎症性サイトカインであるinterleukin(IL)-1β、IL-6の経時的変化を測定した。
【結果】Controlと比し、BPA添加後30分、1、3時間でphospho-p44/42 MAPKの活性化を認めた。またTFは6時間で有意に減少し、IL1-βは1時間で増加、IL-6は、30分から24時間にかけて増加した。Phospho-p44/42選択的阻害剤(PD98059、10µM)を添加すると、phospho-p44/42の活性化は抑制され、TFの減少及びIL-1β、IL-6の増加はいずれも抑制された。
【結論】今回の結果から、BPAによって引き起こされるセルトリ細胞の障害及び精子形成における影響は、p44/42 MAPK経路を介している可能性が示唆された。
 

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