診療・治療
【発表の概要】
【目的】今回我々は、単胚移植後の品胎を3例経験したので報告する。
【方法】2006年1月~2011年6月までに単一胚移植を実施した10988周期を対象とした。
【症例1】30歳前半。初産婦。卵管因子の適応にてART(IVF)となる。ホルモン補充周期(HRC)にてグレード(以下G)5AA(Gardner分類)胚盤胞を黄体期5日目相当日に移植した。assisted hatching (AH)無。妊娠8週に2絨毛膜3羊膜の膜性診断した。FHBは2つで最終的にはMDとして高次病院に紹介した。TTTS、PIHのため妊娠30週6日で1156g、1042gで分娩となった。胎児奇形は認めなかった。
【症例2】30歳後半。初産婦。卵管因子にてART(IVF)となる。自然周期にてG4AB胚盤胞黄体期5日目相当日に移植した。AH試行。妊娠8週に2絨毛膜3羊膜の膜性診断した。心拍は2つから1つになり近医に紹介した。妊娠経過は順調で妊娠39週、3526gで分娩となった。出生後も経過順調で胎児奇形など認められなかった。
【症例3】30歳後半。経産婦。男性因子の適応にてART(ICSI)となる。ホルモン補充周期(HRC)にてG4BA胚盤胞を黄体期5日目相当日に移植した。AH試行。妊娠8週に1絨毛膜1羊膜の膜性診断した。心拍は2つで最終的にはMMとして高次病院に紹介した。妊娠経過は順調であったが、骨盤位のため帝王切開にて妊娠38週で2192g、2282gで分娩となった。出生後も経過順調で胎児奇形などは認められなかった。
【結論】今回、単胚移植全妊娠例の0.09%(3/3353)に品胎を認めた。今後、単胚移植症例に対して、双胎のみならず、品胎のリスクも念頭に置きながら、移植しなければならない。