英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

神戸Endometriosis検討会

  • 子宮腺筋症のある不妊患者の治療経験について
  • 平成24年10月14日(土)
  • 神戸Endometriosis検討会
  • 苔口昭次


    英ウィメンズクリニック

【要旨】
子宮腺筋症があり、そしてART治療をうけている患者に対してGnRHa治療後に胚移植をおこなうことは効果があることかどうかについて後視野的検討をおこなった。この検討の動機となったのは以下の例を経験したからである。子宮腺筋症+子宮内膜症性卵巣嚢腫をもった患者が3回の移植をしても化学流産であった。その後アルコール固定後の再発をみて、卵巣嚢腫核出術およびリュープレロリン酢酸塩(GnRHa)にて治療をして、胚盤胞移植をして妊娠にいたった。この患者が、二人目には、子宮腺筋症がひどくなっているにもかかわらず、GnRHaを使用せずに一回目の胚移植で妊娠された。1回目GnRHaの効果による妊娠かあるいは手術が奏功したのか疑問が残る例である。子宮腺筋症を有する患者にARTをおこなうと妊娠率については、コントロール群と比較して妊娠率はかわらないという文献と低下するという文献がある。また、GnRHa使用の効果についての文献はほとんどない。
そこで当院での症例を過去に振り返りGnRHaを使用した群(以下GnRHa(+)12例)と使用しなかった群(以下GnRHa(-)19例)にわけて妊娠率、流産率等について比較検討した。結果は、GnRHa(+)例とGnRHa(-)例では、臨床妊娠率はそれぞれ41.7%、47.5%で、流産率は、GnRHa(+)で20.0%、GnRHa(-)で22.2%であった。有意差があったのは、ART回数でGnRHa(+)3.5回とGnRHa(-)で1.6回でした。子宮腺筋症を有する不妊患者においては通常通り胚移植をしても妊娠に至らない例の中にはGnRHa治療の有効な例があることが示唆された。
 

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