診療・治療
【目的】当院での不妊治療により妊娠に至った症例において、治療法別また移植手技の違いによる産科合併症の発症頻度について検討した。
【方法】2014年から2020年までの期間で、当院を卒院した患者の返信用分娩報告フォームを解析し、治療法別(タイミング療法1187例、AIH424例、凍結胚HRT周期移植〔HRT-FET〕2451例、凍結胚自然排卵周期移植〔NC-FET〕812例、新鮮胚移植143例)に産科合併症の発症頻度を算定した。
【結果】一般不妊治療群(タイミング及び AIH)とART治療群との間でHDP、GDM、弛緩出血、前置胎盤、癒着胎盤、早産などの発症頻度が、一般不妊治療群に比しART治療群で有意に高率であった。さらにART治療群の中では、HRT-FET治療群においてNC-FET治療群に比しHDP、弛緩出血、癒着胎盤の発症頻度が有意に高率であった。また分娩時の出血量が1000ml以上の症例は、HRT-FET治療群では他群に比し有意に高率であった。