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研究開発・学会発表

診療・治療

ヒトへの応用を目指した染色体凝集塊を用いたマウス新規卵子間核移植法の検討

  • 第23回日本ミトコンドリア学会年会
  • 2024/11/22 順天堂大学本郷キャンパス
  • ヒトへの応用を目指した染色体凝集塊を用いたマウス新規卵子間核移植法の検討
  • 岡本遼太 肖 維, 深澤 宏子, 平田 修司, 鎌田 泰彦, 増山 寿, 大月 純子

【目的】紡錘体(spindle chromosome complex: SC)移植をはじめとする核移植技術がミトコンドリア(mt)病予防のために海外で実施され始めているが、mtDNAの持ち込みや安全性に関する懸念は残存している。我々は、ヒト卵母細胞に形成される染色体凝集塊(aggregated chromosome: AC)を用いたAC移植法がこれらの問題を解決する可能性があると提唱したが、本邦での法規制や限られた種でしかACが形成されないことから基礎検討が困難であった。我々のマウス卵母細胞でのAC形成の成功を基に、本研究ではマウス卵母細胞におけるAC移植の有用性と安全性を評価した。

【方法】マウスGV期卵母細胞にIBMX(3-イソブチル-1-メチルキサンチン)を使用してACを形成させ、HVJ-Eなどの膜融合法を用いずに直接AC移植を実施した。AC形成卵・AC移植卵とSC移植卵を比較し、正常受精率、胚分割率、胚盤胞形成率を評価した。また、AC形成に伴うmt分布の変化とAC移植によるmtDNA持ち込み率を測定した。さらにAC移植を実施した2細胞期胚を偽妊娠マウスに移植し、産仔の獲得を試みた。

【結果】GV期卵母細胞へのIBMX処理により、極体放出した卵の95%でACが形成された。AC形成卵は正常受精率60.7%、胚分割率55.9%、胚盤胞率13.2%であったのに対し、AC移植卵は正常受精率75.4%(p=0.0048)、胚分割率79.1%(p=0.0076)、胚盤胞率32.6%(p=0.014)と、AC移植卵は有意に発生率が向上した。一方、AC移植卵とSC移植卵との間にはいずれの段階でも有意な差は認められなかった。AC形成卵ではMII期卵で見られたSC周囲へのmtの偏在は認めず、AC移植に伴うmtDNA持ち込み率はSC移植の約1/20に有意に減少していた(p=0.0274)。AC移植を実施した17個の2細胞期胚を偽妊娠マウスに移植し、3匹の産仔を獲得した。

【結論】マウス卵母細胞におけるAC移植は、胚発生率を向上させ、mtDNA持ち込み率を低減する有用な核移植手法であり、ヒト卵母細胞でのAC移植法の有用性が示唆された。2024年2月にmt病研究に対するヒト卵を用いた核移植実験が容認されたため、今後のヒト卵での研究進展が期待される。

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