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研究開発・学会発表

診療・治療

ワンステップ融解法と従来法の比較:胚のHatching率およびBlebbing出現率への影響

  • 第66日本卵子学会
  • 2025/5/30~6/1 広島コンベンションホール
  • ワンステップ融解法と従来法の比較:胚のHatching率およびBlebbing出現率への影響
  • 横田梨恵・野村瑠莉・白岩優綺・古橋孝祐・江夏徳寿・大月純子・柴原浩章・岡本恵理・苔口昭次・塩谷雅英

【目的】

凍結胚の融解においては、段階的希釈による耐凍剤の除去が一般的に採用されているが、近年、Thawing solution (TS) 単独によるワンステップ融解法に関する報告が増加している。ワンステップ融解法は操作手順の簡略化や作業時間の短縮が期待される一方で、耐凍剤を単一操作で完全に除去することの困難さが示唆されており、胚への影響が懸念される。本研究では、ワンステップ融解法の有用性を評価するため、従来法との比較検討を行った。

 

【対象と方法】

研究および破棄に関する患者の同意を得た症例で、Gardner分類でGrade 3BB以上の凍結胚盤胞を対象とした。従来法では、TSに1分、DSに3分、WSに5分間の3段階で耐凍剤の希釈を行い、25個を従来群とした。ワンステップ融解群(25個)では、TSに1分間のみ浸漬して融解を実施した。融解後はタイムラプス培養器を用いて胚の観察を行い、融解後48時間経過した時点でHatching率およびBlebbing出現率を評価した。

 

【結果】

胚の融解後の生存率は、従来群100.0%(25/25)、ワンステップ群100.0%(25/25)で、有意差は認められなかった。Hatching率は従来群80.0%(20/25)、ワンステップ群28.0%(7/25)で、従来群が有意に高かった(P<0.05)。一方、Blebbing出現率は従来群44.0%(11/25)、ワンステップ群88.0%(22/25)で、ワンステップ群において有意に高かった(P<0.01)。

 

【考察】

ワンステップ融解法は操作手順の簡略化や胚の生存率において従来法と同等の結果を示したものの、Hatching率の有意な低下とBlebbing出現率の増加が観察された。急激な浸透圧変化による細胞膜への負担が、Blebbing増加の主要因である可能性が示唆される。ワンステップ融解法の導入に際しては、融解後の胚の状態を適切に評価しつつ、その実施を慎重に検討する必要があると考えられる。

 

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