診療・治療
【目的】
ARTにおいて安定した胚の凍結融解技術は必要不可欠であり、当院では定期的に使用する凍結融解液の見直しを行っている。リプロライフ社のReady to Use(以下RtU)は、トレハロースやキサンタンガムによる高いCPA細胞透過性や高粘度を特徴とした凍結融解液である。今回、従来使用品の凍結融解液とRtUの臨床成績を比較したので報告する。
【方法】
2023年12月~2024年5月に単一胚盤胞移植を行った1,548周期を対象とした。従来の凍結融解液を用いた757周期(従来群)とRtUを用いた791周期(RtU群)において、融解後2~4時間後の胚の回復状態および化学妊娠率、臨床妊娠率、流産率を比較した。胚のグレードはGardner分類に基づいて評価し、有意差検定にはχ2検定を用いた。
【結果】
両群において採卵時平均年齢(従来群:34.6±4.2歳、RtU群:35.0±4.2歳)、平均ART回数(従来群:1.7±1.3回、RtU群:1.7±1.5回)および平均移植回数(従来群:2.0±1.4回、RtU群:2.0±1.4回)に有意な差を認めなかった。両群における融解後の胚の生存率(従来群:99.9%、RtU群:100%)および一部変性率(従来群:0.7%、RtU群: 0.4%)、融解後の胚の回復状態についても差を認めなかった。また、化学妊娠率(従来群:57.5%、RtU群: 53.0%)、臨床妊娠率(従来群:43.7%、RtU群:39.8%)、流産率(従来群:20.8%、RtU群:23.2%)についても有意な差を認めなかった。