診療・治療
【背景】妊娠初期における胎児のNuchal translucency(NT)肥厚は、染色体疾患や心疾患などとの関連性が知られており、出生前検査における重要なマーカーの一つである。今回は出生前検査にてNTが3.5mm以上であった症例について妊娠転帰をまとめたので報告する。
【対象・方法】2024年6月までに出生前検査において3.5mm以上のNT肥厚を認めた20例について診療録をもとに妊娠転帰をまとめた。
【結果】対象に該当する症例は20例であった。うち3例は妊娠転帰が不明であるが、1例は妊娠継続希望で確定検査の希望はなく、2例は絨毛検査にて正常核型と正常異型であった。妊娠経過の判明している17例は、自然流産1例、人工流産5例、生産11例であった。生産された11例中9例では先天性疾患を認めず、残り2例は先天性心疾患を伴う47,XXXとダウン症候群であった。前者は確定検査にて妊娠中に診断されていたが、後者は妊娠継続希望であったため確定検査は希望されず出生後に診断となった。先天性疾患を認めなかった9例中5例は追加検査を実施しており、4例は確定検査、1例はNIPTを選択され、いずれも検査対象疾患は否定的であった。人工流産となった5例では、2例が確定検査を実施され、3例は確定検査を希望されず人工流産となった。確定検査を実施された2例のうち1例は正常核型であり、1例は他院実施のため結果は不明であった。また、追加検査を希望しなかった1例はNT計測前にNIPT無認可施設にてターナー症候群陽性であり、こちらも確定検査を受けないまま通院先にて人工流産となった。自然流産となった1例では染色体検査は行われていない。
【結語】人工流産となった症例の中には当初確定検査を予定していたものの、経緯不明のまま通院先で人工流産となっていた症例もあり、通院先との連携が課題であると考えられた。