診療・治療
【目的】
着床前胚染色体異数性検査におけるモザイク胚の取扱いに関し、画一された決まりはない。そこで移植胚選択の参考とするためモザイク胚の状態ごとに妊娠成績の比較検討を行った。
【対象】
当院にて2021年1月~2024年12月末日までにモザイク胚を移植した39症例(48周期)。
【方法】
検討項目はモザイク胚の1:頻度(低頻度vs高頻度) 、2:染色体本数(1本vs 2本 vs 3本以上)3:範囲(Segmental vs Whole)の妊娠成績について、診療記録を基に後方視的に比較検討を行った(χ2検定)。
【結果】
検討1~3における移植あたりの臨床妊娠率、流産率、妊娠継続率は順に、
1[55.6%(20/36)vs 41.7%(5/12)]、[10.0%(2/20)vs 20.0%(1/5)]、[47.2%(17/36)vs 33.3%(4/12)].
2[50.0%(13/26)vs 44.4%(4/9)vs 61.5%(8/13)]、[23.1%(3/13)vs 0%(0/4)vs 0%(0/8)]、[38.5%(10/26)vs 33.3%(3/9)vs 61.5%(8/13)].
3[50.0%(15/30)vs 55.6%(10/18)]、[20.0%(3/15)vs 0%(0/10)]、[40.0%(12/30)vs 50.0%(9/18)].
となり、いずれの群においても有意差を認めなかった。
【考察】
検討1では有意差はないものの、既報と同様に低頻度で良好な傾向がみられた。一方で、検討2では有意差はないが、既報とは異なり、3本以上でも遜色のない結果であった。これは3本以上のモザイクにはアーチファクトが含まれていることによる影響が考えられる。
【結語】
本研究では症例数が十分でなかったために、いずれの検討でも有意差が認められなかった可能性がある。今後さらに症例数を増やすことで解析の精度を上げ、よりよい情報提供に努めたい。