英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

理事長コラム

はなぶさコラムス

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第10回 精子について (2005年7月)

今回は精子の事をお話します。精子は、約2万5千もの遺伝子を積み込んだ頭部、エネルギーを生み出すエンジンに相当する中間部、精子の前進運動をになう鞭毛 部からできています。精子の先端には、卵子の表面に結合するための仕組みと卵子の殻である透明帯を溶かす酵素を含んだアクロゾームという袋があり、その内 側には卵子活性化因子を持っています。精巣では、精子のもとになる精原細胞から絶えず新しい精子が作られています。精原細胞が分裂増殖し始めてからちゃん とした精子になるまでには72日もかかります。尻尾が生えて見かけ上は一人前になった精子は精巣上体に蓄えられて、射精されるまでの約2週間はここで出番 を待つことになります。そして出番を待っている間に最終的な成熟をとげ運動性を獲得します。したがって精巣で成長が始まってから射精されるまではなんと 3ヶ月近くも経っていることになります。これは、過去3ヶ月間の体調が、精子の状態に影響を与えることを意味しています。精巣上体には受精能を獲得した精 子がたっぷり蓄えられており、立て続けに射精しても大丈夫な仕組みになっています。

執筆:院長 塩谷 雅英

診察ご予約は
こちら
さんのみや診療予約
loading