英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

理事長コラム

はなぶさコラムス

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第66回 不妊治療のパラダイムシフト(2012年3月)

2010年のノーベル医学生理学賞は、「体外受精の父」であるロバートエドワード博士に授与されました。ちなみに「体外受精」は英語で、「in vitro fertilization=IVF」といい、受精卵を子宮内に移植することを、「胚移植」、英語では「embryo transfer=ET」と言います。エドワード博士は1978年に世界初の体外受精児、ルイーズブラウン嬢の誕生に貢献しました。スウェーデンのカロリンスカ研究所はこの業績を不妊治療における「パラダイムシフト」と評価しました。ちなみに「パラダイムシフト」とは「それまでの常識を覆すこと」です。すでに世界中で400万人以上のベビーが体外受精で生まれています。また、体外受精でなければ妊娠できない世界中の何百万という不妊カップルに恩恵を与える事になりました。我が国では、毎年10万回以上の治療が行われており、その結果毎年2万人以上の体外受精児が生まれています。50人の1人の赤ちゃんは体外受精によって生まれているのです。厚生労働省は、子ども、子育て支援の一環として、体外受精治療を受ける人々の経済的負担を軽減するために、特定不妊治療費助成事業を行っています。この制度では、体外受精を受ける方を対象に、所得制限がありますが、初年度45万円を限度に、2年目からは30万円を限度に治療費用が助成されます。

執筆:院長 塩谷雅英

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