英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第13回 生殖バイオロジーシンポジウム学術集会

  • ヒアルロン酸含有培養液が胚に与える影響について
  • 平成26年7月27日 都市センターホテル
  • 第13回 生殖バイオロジーシンポジウム学術集会
  • 阿部礼奈、緒方洋美、岩崎利郎、角本知世、十倉陽子、山田聡、緒方誠司、水澤友利、
    岡本恵理、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英 英ウィメンズクリニック

【発表の概要】

 

【目的】

培養液にヒアルロン酸を添加することで、妊娠成績が向上したことが報告されている (Bontekoe et al., 2010)。そこで、今回我々は、ヒアルロン酸を含む培養液と、ヒアルロン酸を含んでいない培養液の胚培養の成績と妊娠成績について検討したので報告する。
 

【方法】

2013年6月~10月に採卵を行い本検討に同意が得られた全胚凍結症例、50症例を対象とした。採卵時に得られた卵を、採卵後0~1、1~6日目までOrigio社Universal IVF とLife Global社global medium (1%HSA) を用いて培養した群 (以下非含有群)と採卵後0~1、1~2、2~6日目までOrigio社Sequential Fert™ (0.5%HSA)とSequential Cleav™ (ヒアルロン酸と0.5%HSA) およびSequential Blast™ (ヒアルロン酸と0.5%HSA) を用いて培養した群 (以下含有群) の2群に分けて検討を行った。
検討項目は、受精率、分割率、分割期良好胚率、胚盤胞発生率、良好胚盤胞率とした。更に、凍結融解胚移植を施行した48周期において心拍陽性率を検討した。


【結果】

非含有群と含有群の受精率は75.9%、73.0%、分割率は88.6%、87.4%、分割期良好胚率は53.9%、49.5%、胚盤胞発生率は53.0%、51.5%、良好胚盤胞率は49.6%、51.0%となり両群に有意差は認めなかった。心拍陽性率は非含有群33.3%、含有群58.3%で有意差はないものの、含有群において高くなる傾向を認めた。


【考察】

本検討では、検討した全ての項目において有意差は認めなかったが、ヒアルロン酸含有培養液を用いて培養した胚は、非含有培養液と比較し心拍陽性率が高い傾向にあった。この結果から、ヒアルロン酸含有培養液にて胚を培養することで、胚の着床能を向上させる可能性が示唆された。

 

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