診療・治療
【目的】当クリニックでは凍結融解胚移植時の黄体ホルモン補充として、主に3剤のプロゲスタン腟座薬を使用している。黄体補充期間は15日以上に及ぶため、患者の負担感も大きい。そこで、各腟剤に対する使用感を知り、どのように指導すれば負担が軽減できるのかアンケート調査をした。【方法】2025年5月~8月に胚移植当日にアンケートをお渡しし、妊娠判定日以降にアンケートBOXにて回収した。各薬剤は用法用量に従い使用した。【結果】ルテウム®400㎎g(A群)170名、ウトロゲスタン®200mg(B群)68名、ルティナス®100mg(C群)27名、計265名回収した(回収率44.2%)。年齢は平均36.1~37.5歳、3群の妊娠率に有意差は認めなかった。腟剤を選択したのは94.0%が医師であった。12.5%の患者が挿入忘れを認めたが、挿入回数に関係はなかった。18.5%の患者が腟剤の持ち運びが容易でないと返答しており、中でもルテウム®が多かった。腟剤の使用感については「薬が溶ける不快感があった」A群55.3%、B群29.4%、C群29.6%(P<0.05)、「薬が出てくるのが気になった」A群87.6%、B群72.1%、C群66.7%(P<0.05)といずれもとルテウム®が多かった。挿入については、「数回入れるのが大変だった」」A群47.1%、B群64.7%、C群81.5%(P<0.05)とルティナス®が多かった。使用について工夫した点は、「挿入忘れしないように工夫」、「溶けた膣剤による汚れを防ぐ」、「挿入時の工夫(姿勢、呼吸やジェル、器具など)」、「挿入後の安静」であった。【考察】腟剤が溶ける不快感や挿入の負担感が多いことから、シートの選択や腟剤挿入による患者負担の理解を示し、使用の継続を図れるように声かけをしていきたい。また、3剤の特徴や患者の状況に合わせて、腟剤を選択できるようにしていきたい。