英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第36回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • 二種類の培養器における培養成績の検討
  • 2018年7月26日(木)~27日(金) 幕張メッセ 国際会議場
  • 第36回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 向井美紗、魚住卓也、山上一樹、古橋孝祐、辻優大、岩﨑利郎、伊藤宏一、水澤友利、

    松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英

【目的】

無加湿型培養器は加湿型に比較して、維持管理が容易である。しかしながら、機能的に加湿型培養器に比べて無加湿型では、培養液中の浸透圧が上昇することが知られており、その浸透圧の上昇が培養成績に及ぼす影響についての報告は少ない。そこで本検討では、加湿型(以下M群)および無加湿型(以下D群)培養器を用いて培養成績の比較、ならびに経日的な浸透圧計測を行い、無加湿型培養器の有用性を評価した。

 

【方法】

検討①:2017年4月から7月に当院で採卵を行い、受精判定時に2PNが4個以上得られた73症例(2PN=533個)を検討対象とした。得られた2PN胚は、M群およびD群の培養器にランダムに分配し、分割率、分割期良好胚率、胚盤胞発生率、良好胚盤胞率の比較を行った。

検討②:2群の培養液の浸透圧を、蒸気圧法測定器にて培養開始0日目から4日目まで経日的に計測した。なお、本検討では培養開始2日目に培養液を交換したため、検討②は培養開始2日目から6日目の期間に該当した。

 

【結果】

検討①:M群(2PN=268個)とD群(2PN=265個)の間に分割率(96.3% vs 98.1%)、分割期良好胚(50.4% vs 49.6%)、継続培養胚あたりの胚盤胞発生率(55.1% vs 57.2%)および胚盤胞当たりの良好胚盤胞率(48.2% vs 52.9%)の差はなかった。

検討②:M群の浸透圧は計測開始日から4日目まで、それぞれ261.0、257.2、260.5、265.7、257.3mmol/kg、D群ではそれぞれ270.8、262.3、265.0、277.7、281.5mmol/kgであった。

 

【考察】

M群に比べてD群では浸透圧が緩やかに上昇したが、培養成績に影響しなかった。これらの結果から、胚培養において無加湿型培養器は浸透圧を上昇させるものの加湿型培養器と有用性に差がないことが示唆された。

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