診療・治療
【発表の概要】
【目的】無精子症例であっても精巣より精子回収が可能であることがあり、ICSIを実施することで挙児が可能となっている。今回、過去4年間に当院で施行したTESE症例について検討した。
【方法】対象は夫が無精子症および重症乏精子症、重症精子無力症と診断されTESEを施行した84組である。TESEによって採取した精巣組織は、ミンス後凍結保存し将来の治療に備えた。
【成績】精巣組織内に精子を確認できたのは52例(61.9%)であり、その後TESE-ICSIにより30例(57.7%)に妊娠成立を得た。胚移植あたりの妊娠率は27.3%(27/99)であった。また、凍結保存した胚の移植あたり妊娠率は27.8%(5/18)であった。
【結論】TESEにより高い確率で精巣内に精子を確認できた。TESE-ICSIの症例あたりの妊娠率は57.7%であり、TESE-ICSIは無精子症患者の治療として有効であることが確認された。