英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を希望しなかった夫婦の治療経過の報告

  • 日本遺伝カウンセリング学会
  • 2023.7.7~7/9 まつもと市民芸術館
  • 着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を希望しなかった夫婦の治療経過の報告
  • 中原恵理
    苔口昭次 岡本恵理 塩谷雅英

【背景・目的】当院では2020年4月に日本産科婦人科学会の認可を受け、着床前胚染色体異数性検査(以下、PGT-A:Preimplantation genetic testing for aneuploidy) を実施している。
その中でPGT-Aを希望した夫婦の治療経過については情報収集が行われているが、希望しなかった夫婦の治療経過については報告が行われていない。そのため、本研究ではPGT-Aを希望しなかった夫婦の治療経過についてまとめることを目的とした。

【対象】2020年4月~2022年8月にPGT-A希望で遺伝カウンセリング(以下、GC)に来談し、その後PGT-Aを希望しなかった17例。均衡型転座を有する夫婦は除外とした。

【方法】対象のGC後から2022年12月末日までの治療経過について診療記録をまとめた。

【結果】GC来談時の妻平均年齢は37.7±3.8歳、平均採卵回数は4.3±3.4回、平均移植回数は4.9±2.4回。GC後に採卵を行ったのは16例(50周期)。50周期のうち4周期では卵子を得られず、9周期では胚の凍結、移植に至らなかった。移植は17例全例で行われており、新鮮胚移植が8症例(10周期)、凍結融解胚移植が16例(24周期)であった。移植当たりの臨床妊娠率は20.6%(7/34)、流産率は14.3%(1/7)、生産率は17.6%(6/34)であったが、症例当たりの生産率は35.3%(6/17)であった。生産した6例はいずれも2回目までの採卵、移植で出産に至り、先天性疾患はなかった。

【結語】PGT-Aの対象でかつPGT-Aを実施しなかった場合の治療成績は、今後PGT-Aを検討する夫婦にとって重要な参考情報であると思われる。本研究では症例数が少なく個体差による影響も考えられるため、引き続き症例を追加して情報を解析していきたい。

【keyword】着床前遺伝学的検査

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