英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

受診を検討している方は
こちらからお気軽に
お問い合わせください。

研究開発・学会発表

診療・治療

出生後に染色体間挿入が判明したモザイク胚移植の1例

  • 第48回 日本遺伝カウンセリング学会
  • 2024/8/2~8/4 一橋講堂
  • 出生後に染色体間挿入が判明したモザイク胚移植の1例
  • 中原 恵理、苔口 昭次、岡本 恵理、塩谷 雅英

【背景】染色体間挿入は、ある染色体から除去された染色体断片が、別の染色体に挿入されるまれな染色体構造変化であり、頻度は新生児の80,000人に1人程度と推定されている。均衡型挿入の保因者は表現型を伴わないが、挙児希望がある場合、配偶子は不均衡型の染色体構造異常を生じる可能性があり、不妊症、不育症などの原因となる。

【症例】母体は38歳の経産婦(G4P1SA2)。37歳時に採卵、顕微授精、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A:preimplantation genetic testing for aneuploidy)を実施し、低頻度3トリソミーモザイクと判定された胚を移植し、妊娠が成立した。胚移植前に遺伝カウンセリングを実施しており、その際に出生前検査の選択肢を提示していたが希望はなかった。その後、経過良好のため妊娠9週1日に分娩施設へ転院となった。後日、分娩施設より妊娠39週4日に高度遷延一過性徐脈のため緊急帝王切開術で分娩したこと、出生後に行った児の染色体検査において染色体間挿入46,XY,ins(3;2)(p25;q21.3q31)がみとめられたことが報告された。生後10ヶ月頃にフォローアップの連絡を行ったところ、出生時に指摘されていた埋没陰茎、くも膜嚢胞、左陰嚢水腫、第五趾位置異常などは問題なく経過観察をしていることが確認できた。また、母親は染色体間挿入の臨床的意義ついては理解していたが、PGT-Aでも染色体間挿入でも3番染色体が関連していたため、染色体間挿入はPGT-Aで検出されていたものであったという誤解があったことが判明した。【結語】PGT-Aでは検出しえない染色体間挿入の1例を経験した。改めてPGT-Aには本症例のような限界もあることを念頭に置き、遺伝カウンセリングに臨むべきであると考えられた。

診察ご予約は
こちら
loading