診療・治療
【目的】AIDは2017年まで年間3000~4000周期実施されてきたが、現在ドナー不足により減少してきている。一方、SNSなどを利用した個人間の精子提供が問題になっている。そこで、AIDに対する男性不妊治療患者の意識を明確にすることで、今後の情報提供やケアに役立てるためにアンケート実施した。【方法】2023年12月~2024年2月に当メンズクリニックで治療を受けている男性不妊患者を対象に、Webにてアンケートを実施した。無記名にて実施し、アンケート返信にて承諾したとみなした。【結果】250名から回収した(回収率71.4%)。平均年齢36.7歳、既婚96.4%、子どもあり21.2%であった。AIDを知っているのは44.9%で、テレビやネット・SNSによる情報源が多かった。AIDを「認めてよい」34.0%で「夫婦の選択、望むならよい」という意見が多くみられた。また、「条件付きで認めてよい」34.0%で、「選択肢の一つで同意があればよい」「無精子症を条件にすべき」という意見がみられた。AIDを受けたと仮定した場合にその事実を子どもに「伝える」と返答したのは35.2%であり、その理由を「知る権利がある」という返答が多くみられた。一方、「伝えない」と返答したのは12.0%であり、「伝える必要性を感じない」という意見が多くみられた。SNSなどの個人間のAIDは「容認しない」と46.8%の人が返答していた。AIDへの肯定的意見は「ルールが整っていれば適用もよい」「メディアを通してもっと進めた方がよい」、否定的意見は「自分の子として愛せるか不安」「AIDが濫発される事態は防ぐべき」などの意見がみられた。【考察】AIDを認めてよいと約7割の患者が返答していた。しかし、その約半数が条件付きとの意見であり、その条件には、同意、無精子症、法制化などがみられた。現在第三者による提供者による不妊治療について、議論されている段階であるが、是非について考える機会としたい。