診療・治療
【目的】
2022年の生殖補助医療の保険適用の開始に伴い、移植における高濃度ヒアルロン酸含有培養液の保険算定が可能となり、現在多数のメーカーからヒアルロン酸含有培養液が市販されている。本検討では4種類のヒアルロン酸含有培養液を用いて、単一凍結融解胚盤胞移植における妊娠成績の比較検討を行った。
【方法】
本検討では、単一凍結融解胚移植症例を対象とした。保険適用開始以前の2021年12月から2022年2月に行った症例を対照群(Control群)とし、2023年12月から2025年2月の間に使用した3種類のヒアルロン酸含有培養液(以下A、B、C群)について、臨床妊娠率および流産率を比較検討した。統計解析にはボンフェローニ補正を行ったカイ二乗検定を用いた。本検討に用いた4種の培養液のヒアルロン酸含有濃度は、Control群;0.10 mg/ml、A群:0.02 mg/ml、B,C群:0.50 mg/mlであった。培養液組成については4群ともヒト血清アルブミン(HSA)が含まれているが、B群のみrecombinant HSAが使用されている。その他の組成には大きな違いは見られなかった。
【成績】
患者平均年齢および平均移植回数において、4群間で有意な差を認めなかった。臨床妊娠率はControl、A、B、C群の順にそれぞれ42.8%(195/456) vs 43.9%(328/747) vs 39.6%(55/139) vs 41.0%(261/637)、流産率は順に21.5%(42/195) vs 19.8%(65/328) vs 20.0%(11/55) vs 20.3%(53/261)となり、共に有意な差を認めなかった。
【結論】
本検討において、培養液のヒアルロン酸含有濃度の違いは臨床妊娠率、流産率に有意な影響を及ぼさなかった。本検討は単一胚盤胞移植のみを対象としたため、ヒアルロン酸含有培養液の適用条件については更なる検討が必要と考えている。