英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

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研究開発・学会発表

診療・治療

良好精子自動選別AI「SiD」と胚培養士による目視選別との顕微授精成績の比較検討

  • 第29回 日本IVF学会
  • 2026年9月26日~27日 城山ホテル鹿児島
  • 良好精子自動選別AI「SiD」と胚培養士による目視選別との顕微授精成績の比較検討
  • 堤由香理・角知英・魏強興・古橋孝祐・柴原浩章・岡本恵理・苔口昭次・塩谷雅英
    英ウィメンズクリニック

【目的】

顕微授精において、注入する精子の質が胚発生に影響を与えることが報告されている。しかし、精子の選別は胚培養士の目視に依存するところが大きく、選別基準の定量化・標準化は各培養士の習熟度に委ねられているのが現状である。今回、PVP溶液中の精子を撮影するだけで、リアルタイムで運動精子を自動検出・追跡し、運動パラメーターの高い精子を選別・4段階にランク付けする良好精子自動選別AIシステム「SiD」を導入し、4段階中Bestとランク付けされたSiDによる選別と、実務経験10年目以上の熟練胚培養士3名による目視選別と比較して胚発生成績が向上するか否かを検討した。

【方法】

2025年11月〜12月の期間に当院でICSIを施行した症例のうち、女性側の年齢39歳以下でMⅡ卵子が4個以上得られた46周期を対象とした。同一症例内でMⅡ卵子をSiD群と目視群に無作為に振り分けてICSIを施行し、受精率・変性率・異常受精率(1PN・3PN)・分割率・良好分割率・胚盤胞発生率・胚盤胞あたりの良好胚盤胞率を比較検討した。対象はSiD群153個、目視群148個であった。また、統計解析にはχ²検定を用いた。

【結果】

SiD群:受精率86.3%(132/153)、変性率9.2%(14/153)、異常受精率5.3%(7/153)、分割率95.5%(126/132)、良好分割率65.2%(86/132)、胚盤胞発生率64.8%(81/125)、胚盤胞あたりの良好胚盤胞率44.4%(36/81)であった。目視群はそれぞれ89.2%(132/148)、5.4%(8/148)、3.4%(5/148)、99.2(131/132)%、67.4%(89/131)、67.4%(87/129)、35.6%(31/129)であり、いずれの項目においても両群間に有意差は認められなかった。

【考察】

SiDによる自動精子選別は、熟練胚培養士による目視選別と同等の臨床成績を示した。現時点では精子の見落としや誤識別といった課題も残っており、実臨床への導入には慎重な運用が求められる。一方で、精子評価の客観化・可視化が可能であることから、選別基準の標準化や新人培養士に対する教育支援ツールとしての有用性が期待される。今後は症例数を蓄積し、さらなる検証を継続していく予定である。

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