英ウィメンズクリニック

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日本受精着床学会雑誌

  • ICSI施行後3前核が見られた胚のDay3における染色体倍数性の解析
  • 2010 Vol.27 No.1
  • 日本受精着床学会雑誌
  • 水田真平,後藤 栄,橋本洋美,黒田泰史,松本由紀子,梅影秀史,苔口昭次,


    棚田省三,塩谷雅英

【発表の概要】

ICSI 施行翌日に3個の前核(pronuclear)が見られた胚(ICSI 3PN胚)37個にFluorescence in situ Hybridization (FISH)を行い,染色体倍数性異常について検討した。ICSI 3PN胚のうち,正常倍数性(2n)の割合は8.1%(3個)であり,その3個の胚はそれぞれ,受精判定日のPolar Body(PB)数が1個で8細胞期に発生した胚(1PB 8細胞期胚),2PB 8細胞期胚,2PB 7細胞期胚であった。また倍数性異常の割合は67.6%(25個)であった。PB数別に染色体異常の割合を検討したところ,1PB胚では2nが6.7%,倍数性異常が66.7%,無秩序モザイクが26.7%であった。2PB胚では,2nが10.5%,倍数性異常が63.2%,無秩序モザイクが21.1%,その他染色体異常が5.3%であった。PB数別には,2nおよび倍数性異常の出現頻度に明らかな差を認めなかった。割球数別に染色体異常の割合を検討したところ,2-7細胞期胚では,2nが4.0%,倍数性異常が64.0%,無秩序モザイクが28.0%,その他染色体異常が4.0%であった。8細胞期胚以上では,2nが16.7%,倍数性異常が75.0%,無秩序モザイクが8.3%であった。胚の割球数別には2nおよび倍数性異常の発生頻度に明らかな差を認めなかった。本研究ではICSI 3PN胚の中に正常倍数性の胚も存在する可能性が示された。PB数および割球数はICSI 3PN胚の倍数性を判断する指標とするのは難しいかもしれない。

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